「…今日は終わり」


そんな優しい顔で
そんなこと言われたら

私、勉強なんてできない。


「え、なんで？」

「なんでもっ」

私は勉強道具をカバンに詰めて席を立つ。


「凛ちゃん？怒ってる？」

「怒ってないっ！」

怒ってないけどっ…
なんか…腹立つ！！！



私が図書館を出ると
佐藤奏もついてくる。


「凛ちゃん？待ってよー」

「ついてこないでっ」


だって、今、私きっと…



「凛ちゃん？なんで怒って…」

そう言いかけて佐藤奏は止まる。

「凛ちゃん…顔…真っ赤…」


きっと、真っ赤な顔をしている。