校内は出店を出している生徒達が大きな声で呼び込みをしていたり、学園祭に来た人で
活気にあふれていた。


「すげー。やっぱエリートの集まりって感じでレベル高いね~あっ、アヤちゃんじゃねぇ」


西宮は人の間をすいすい抜けていく。


「おい、ちょっと待てよ」


西宮の頭が人ごみにのまれていくのを廊下の隅で見ていた。


松葉杖が僕の足になってから人ごみは苦手だ。


ひとまず座れる場所へ…


僕は校舎を出て人のいない校庭にでて、体育倉庫の横のベンチに座る。


整備されたグラウンド…



ここで僕は空を飛んでいるはずだった。



…はずだった…ということは考えないようにしていたいのに…


空を見つめる。僕の眼には高く澄んだ青空と少しの涙が混じっていった。



涙が頬を伝わろうとした時だった。