あれから彼女に会うことはもちろんなく、噂を聞くこともなく月日が過ぎていった。


「瀬野、お前さ、日曜ヒマ?」


十月も終わりの金曜日だった。クラスの西宮に声をかけられた。


「何で…」


学年でもチャラ男と言われている西宮が僕に声をかけてくること自体何かあるはず…


「あのさ、学園祭行かねぇ」


「どこのだよ」


「明栄和。俺さ、気になる子がいるんだけどさ、一人で行くってのもさ」


…明栄和…


いつもならすぐに断るはずなのに…


「いいよ」


思わず答えてしまった。




浮かれ気分でスキップする西宮の後ろを少し後悔しながらついていく。


「瀬野く~ん、カメラはオッケイですね」


…そうか、誘ったのはこのこともあったからか…


「持ってるよ」



そう言いながら明栄和祭と描かれたアーチをくぐって校舎に入った。