blue tears love ~僕等の秘密～

「…たださ、笹本さんの泳ぎを見ていたら、そうなのかなって。泳ぐのが好きなんだなって。だって、水に愛されてる人だなって感じたからさぁ」


あー、なんてこと言っちゃったんだ。勝手なこと言わないでって言われるんだろうなぁ…

ほおっておけばよかった。


僕は後悔しながら彼女の方を見た。


でも、彼女の顔は僕の考えとは違い、優しい、穏やかな表情に見えた。


それどころか、眼が潤んでいるようにも見える。



…涙？…まさか…ね



やっぱり、まさかな見間違えだったようだ。最初と変わらない表情、低いトーンで言った。


「私には泳ぐことしかできないから…泳がなかったら私じゃなくなるから…ところで、あなた、東高でしょ」


「うん」


今日は制服を着ていたわけでもなく、なんで？


僕をじっと見つめる彼女。


「名前はサ行ってところかな。今日は仕方なく写真を撮りに来たってところかな…」


「ど・ど・どうして、わかるの」


僕のあまりのあわてぶりに彼女は初めて口元を緩ませながら言った。


「だって、エスパーだから」


彼女の大きな瞳を見つめているとそれもありかも。とマジで思えてくる自分におかしいのと焦りを感じた。


…どうしてだろう…