「無理。つーか、ちょっと来い。用事がある」

「は? もしかしてサボるってこと?」

「そういうこと。二時間目までサボり。ってことで、行くぞ」



あたしはそのまま響に連れられて、教室をあとにした。
人生初のサボりがこいつと一緒とは……!
いや、別に嫌いなわけじゃないけど。







「お前が髪、どーにかしろって言うからどうにかしたら、めんどくせぇことになったんだけど」

「めんどくさいって?」



屋上の扉の前で、響が言う。



「朝から女が引っ付くようになった。うざいしめんどくさいし、どうしてくれんの?」

「でもそれってモテてるってことだよ? いいじゃん。男にとっては本望! 二次元みたいだね」



あたしがぽろっとこぼした一言に響が首を傾げる。
あたしとしたことが、ちょっぴりボロが出た……?



「い、今のは聞き流して! ちょっと例えてみただけだから。イケメンっぷりが獄寺くんみたいだねって…」


あ、やばい。
キャラの名前出すとか、さらにいけないことした……!


「誰それ」

「え、知らないの?」