「……やめて、当麻クン!」



思わず叫ぶと、当麻クンは
ギクッと体を強張らせて
あたしを見る。



動きを止め、しばらく
わなわなと肩を震わせてた。



けどやがて『クソッ』と
小さく叫んで手を離すと、
再びギロリと銀をにらんで、



「――お前みてーな
ヤツに、絶対に姫川は
渡さねーからなっ!!」



――隣のクラスにまで
聞こえそうなほどの大声で
叫んで、当麻クンは踵を
返し教室を飛び出して
行った……。


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