そしてその言葉に、
あたしの手を包む銀の
掌にグッと力がこもる。



隣を見上げると、銀は
ほんのかすかにだけど
笑ってるように見えた。



「オレも会いたかった。

1日でも早く、小桃に」



その声にキュンと胸が震える。



「そう言えば……どうして
あたしのこと、小桃って
呼ぶようになったの……?」



知り合ってからずっと、
銀はあたしのこと“姫”
って呼んでたのに。



もちろんそんなふうに
呼ばれるより、名前で
呼んでもらった方が嬉しいけど。


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