思い出してあたしはカッと
顔が熱くなるのを感じた。



でも銀はさも意外そうに
目を真ん丸にして、



「違うのか?

生涯添いとげることを
誓った相手のことは
“婚約者”という。

――オレの知識ではそうだ」



自信満々に言い切る声。



あたしと涼香は思わず顔を
見合わせた。



「間違いじゃないけど……

でもやっぱり、ちょっと
違うかなぁ」



引きつった笑いを浮かべ
ながら言うと、銀は
『そうなのか?』と首を
かしげる。


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