「大神君、挨拶を」



植田先生の促しに銀が口を開く。



あたしがよく知ってるあの
ちょっと低めの張りのある
声で、銀は
『よろしくお願いします』
とだけ言った。



「……それだけでいいかの?」



「はい」



「そうか。

まあ、これから少しずつ
みんなと打ち解けていけばいい。

みんなも温かく迎えてやる
ようにー。

ええと、それじゃあ、席は……」



「空席なんてないですよ、
センセー!」


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