そうして一緒に進むと、不思議。


滝壺の水に足を踏み入れた
時も滝をくぐり抜ける
時も、全く水に濡れなかった。



見るとあたしと銀の体の
表面に、薄い光の膜みたい
のができてる。



けど洞穴の入口に入って
銀の手が少しゆるむと、
それも蒸発するように
消えてった。



「暗いね……」



洞穴の奥はうすぼんやりと
した闇。



思わずブルッと震えた
あたしに、銀は少しだけ
唇をあげて笑って、



「オレにはハッキリ
見えてるから大丈夫だ」


_