「後悔……しないように……」
口の中で反すうすると、
銀はクスリと小さく笑って、
「そうだ。“表”のあいつ
だって、その思いは一緒だ。
まぁあいつはその先の
肝心なところで迷っち
まってたけどな」
そう言うと、涙をぬぐって
くれた指先をそっと
あたしの髪にくぐらせて、
「“あいつ”は……
小桃と一緒に過ごせる
貴重な時間、少しでも早く
人間を理解したいと焦る
気持ちと、それについて
いけない“自分”の心に
戸惑って――
どうにも心の釣り合いが
とれなくなったみたいだな」
_
口の中で反すうすると、
銀はクスリと小さく笑って、
「そうだ。“表”のあいつ
だって、その思いは一緒だ。
まぁあいつはその先の
肝心なところで迷っち
まってたけどな」
そう言うと、涙をぬぐって
くれた指先をそっと
あたしの髪にくぐらせて、
「“あいつ”は……
小桃と一緒に過ごせる
貴重な時間、少しでも早く
人間を理解したいと焦る
気持ちと、それについて
いけない“自分”の心に
戸惑って――
どうにも心の釣り合いが
とれなくなったみたいだな」
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