ドキッとした。



だってそれはあたしも
考えたことがある、どうし
ようもないあたし達の問題
だから。



「そんなことを考えて、
あいつは迷ってたんだ。

考えたって何の意味もないのに」



“何の意味もない”



そう言い切った声に
あたしはマジマジと銀の
顔を見る。



銀はあたしの心を見透かす
ようなシルバーの瞳で
視線を受け止めて、



「そしてオマエも……
オレ達は同じ速さで生きて
いけない。

そんなことを、延々と
悩んでただろ」


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