「銀、しっかり!

あがってきてよぉっ!!」



川面を見つめ声を
振り絞って叫んだら。



――その声に応えるように、
水面にボコッと大きな泡が
あがった。



「しっ、銀っ!!?」



無事だった!?



川岸スレスレまで身を
乗り出して待つ、あたしの
瞳に飛び込んできたのは――…。




「――そんなに連呼
しなくても聞こえてる。

大丈夫に決まってるだろ」



水を浴びたせいか少し
くぐもって聞こえる低い声。



それはいつもの銀の声
だけど……でも微妙に、
いつもどおりじゃない。


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