あたしは夢中で土手を
滑って河原に降りた。



銀が落ちた箇所を凝視
しながら、一心不乱に
川岸へ駆け寄る。



「銀っ、銀っ!!」



「オ、オイ、姫川……」



当麻クンが戸惑いの声で
あたしを呼ぶけど、それに
見向きしてる余裕もない。



(銀――大丈夫――!?)



川に落ちるくらいで銀が
どうにかなるなんて、
普段ならきっと思わない。



だけど今の銀は明らかに
不安定だったから……
もしかしたら……。


ひょっとしたら……。


_