あたしは我を忘れて銀の
名前を呼んでた。



でもそれが銀の耳に
届いたかどうかはわからない。



動揺して完全に受け身の
とれてない銀の腹部に、
当麻クンの蹴りが食い込んで。



銀は体を二つに折り曲げて
後ろにふっ飛ぶ。



その方向は、運悪く川面の
方で……

なんと銀はなすすべもなく、
バシャンと大きな水音を
たてて川に落ちた。



「銀っ!!?」



「ちょ――マジ!?

やだ、大丈夫なのあいつっ??」



慌ててる涼香の声はもう
耳をかすめるだけ。


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