すぐ後ろから玖狼様も、
足音ひとつたてない滑る
ような動きで降りてきた。



再びいびつな洞穴の地面に
立つと、銀と翁は素早く
その場に片膝をつく。



「お待ちもうしており
ましたぞ、長よ」



「玖狼様……お加減は
どうですか?」



二人の問いかけに玖狼様は
穏やかにほほ笑んで答えた。



「問題ない。

力がみなぎっているのを
感じるよ。

これもみな、小桃のおかげだ」



「いえ、そんな……」


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