「――目を開けなさい、姫」



鈴を転がすって、
こーゆーのを言うのかな。
もしそれが男の人に使って
いい言葉なら。



思わずそんなことを
思っちゃうくらい、高く
澄んだ耳に心地いい声が、
あたしに呼びかけたんだ。



「え…………?」



「そなたの務めは
終わったのだよ。

さあ、もう怯えることは
何もない」



再び告げる、歌うように
なめらかで美しい声。



(まさか―――…!?)



あたしは目を開けた。


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