3月1日【短編/企】



無茶苦茶に走っていると
いつの間にか彼と初めて出会った
桜の咲く公園の近くまで
来ていた。



今年の桜はまだ三分咲きだった。



それでも月夜に浮かび上がる桜は
この世のものではないかのように綺麗に私の目に映った。



闇に白はよく映える。



そうして
その桜を見上げた瞬間だった。