無茶苦茶に走っていると いつの間にか彼と初めて出会った 桜の咲く公園の近くまで 来ていた。 今年の桜はまだ三分咲きだった。 それでも月夜に浮かび上がる桜は この世のものではないかのように綺麗に私の目に映った。 闇に白はよく映える。 そうして その桜を見上げた瞬間だった。