「…………っあ」 彼女の声が俺の耳をくすぐる。 だめだ。本当に。それだけで背筋に震えが走る。 「……声出さないで」 せめて、とばかりに紅子に懇願すると彼女は逆に火がついたようだった。 (な……なんでこんな日に限って彼女の新しい性癖を見つけちゃうんだ俺は) 初めて彼女を抱いた時よりもぎこちなく俺は紅子を抱いた。 彼女の瞳を見つめる。 (ああ、俺は) 今、ずっと探し続けていた君をこの手に抱いているんだ。