「夢じゃ、ない……?」 高校生の啓一も、彼と交わした言葉も、全部。 私、もしかして過去にタイムスリップしてた…? そのとき、近くからカサッと草を踏み締める音が聞こえた。 「……紅子」 振り向くと、 そこには啓一がいた。 「啓一……? あれ、今度は本物?」 私の台詞と呆然とした様子に、啓一は少し顔をしかめた。 「え?うそ、本当に?」 私が一人混乱していると、彼は私の腕を掴んだ。 それにビクリと身体が震える。