『随分と酷いことを言うのね。しらばっくれてるつもり?私の夢の中でさえ』 そう言って 愛しげに啓一を見つめる。 彼は素敵だ。 全部、好きだった。 その戸惑った表情も、 うろたえて尚、誠実に私を見つめる瞳も。 『貴女の、夢……?』 か細い啓一の声に 私はやんわりと頷いた。 『そうよ、これはね、私の夢みたいなの。いつ私が眠ったかは分からないけどね』