3月1日【短編/企】



「なんで……?」



私の呟きが虚しくこぼれる。



さっきまで夜の道を走っていたはずなのに、辺りは太陽の光に溢れている。



訳が分からず私はただ呆然とした。



「夢でもみてるのかな……?」



どうやら場所はさっきまでの公園で間違いはなさそうだが。



何がなんだかわからないままに公園の中を歩いていくと、目の前にベンチが見えてきた。



啓一と初めて出会った場所だ。



そこにも今は桜が積もっている。



そしてそのベンチに腰掛けるひとに目を止め――



私は絶句した。