「なんで……?」 私の呟きが虚しくこぼれる。 さっきまで夜の道を走っていたはずなのに、辺りは太陽の光に溢れている。 訳が分からず私はただ呆然とした。 「夢でもみてるのかな……?」 どうやら場所はさっきまでの公園で間違いはなさそうだが。 何がなんだかわからないままに公園の中を歩いていくと、目の前にベンチが見えてきた。 啓一と初めて出会った場所だ。 そこにも今は桜が積もっている。 そしてそのベンチに腰掛けるひとに目を止め―― 私は絶句した。