何時間経っただろう…?




瑛奈が話す数十分の間、何時間とゆう長い時間に思え…




暗闇の中、遠くに微かに聞こえる瑛奈の声を懸命に聞こうとしていた。






「(…今直ぐに追い掛けて、謝ればきっと戻れる…)」




陸斗の頭とは裏腹に、身体からは根が生えたように、立ち上がれず…




追い掛けられずに、その場から離れられずにいた。






「(…俺、今まで何やってたんだ?

…瑛奈が泣いてた…瑛奈が俺の前で涙を見せ、弱音を吐いたのは何年ぶり…?

俺が泣かせた…俺が瑛奈を傷つけた…。

ッ俺は瑛奈に甘えてたんだ…瑛奈の気持ちを考えようとはしなかった。

…瑛奈はずっと我慢してたのに。弱くて傷つきやすいのに。

…そんな事、俺が1番分かってたはずなのに。

…ッ俺は瑛奈を守れなかった…守るって約束したのに

…俺が大好きな瑛奈を傷つけたんだ…。

俺、今まで何やってたんだ?)

…瑛奈ごめん…ッごめん。」




陸斗は1人、何時間もの間、瑛奈が出ていった静かな部屋で拳を握りしめていた。