「お兄ちゃんはきぃちゃんと結婚するんでしょ?」
「(笑)うん。綾香ちゃんも、たっくんと結婚するんでしょ?」
綾香からの思わぬ質問に、陸斗は戸惑いながらも笑顔で答えた。
「きぃちゃんに聞いたの?
…でもね…
あや、たっくんにはもう会わないんだよ。」
「何で?たっくんは綾香ちゃんに会いたいと思うよ?」
綾香が寂しそうに話す言葉に、陸斗は不思議そうに聞き直した。
「あのね、あやに会うと悲しい想いするの。
パパもママもね、みんな悲しいお顔するの。
…あや、たっくんにはいつも笑っていてほしいんだよ?
だからもう会わないの。」
「…ッ…」
綾香の言葉に陸斗は絶句した。
こんなに小さいのに、何もかもを見抜いている…
自分の身体の事も、周りの気持ちにも。
綾香の言葉に陸斗は少しだけど、別れを切り出した瑛奈の気持ちを理解する事が出来た。

