「…ここが綾香の病室です。」
「…ありがとうございます。」
綾香の母親が病室まで案内すると、陸斗は浅くお辞儀をした。
消毒をし、細菌が入り込まないように、頭から全身に洋服みたいなモノを身に付けると、陸斗はゆっくりと入っていった。
「…お兄ちゃん誰?」
「…瑛奈のお友達だよ。
綾香ちゃんだよね?
俺は陸斗。宜しくね♪」
見知らぬ姿に不思議そうにする綾香に、陸斗は優しく微笑みながら挨拶をした。
「あっ前に病院の広場で会ったお兄ちゃんだね!
お兄ちゃんがきぃちゃんのスーパーマンだったんだ!」
「スーパーマンって?(笑)
…綾香ちゃん、いつも瑛奈と仲良くしてくれてありがとね。」
「ううん、あやきぃちゃん大好きだから♪
でも、お兄ちゃんが来てくれて良かった。
きぃちゃんも嬉しいよね♪
いつもお兄ちゃんの話ししてたから。」
「うん、お兄ちゃんも瑛奈と一緒にいられて嬉しいんだ♪」
笑顔で話す綾香に、陸斗も微笑みながら言った。

