‐数週間後‐
「!?…ッあれ?…ないッない…」
“コンコンッ…ガラッ”
「ッ瑛奈?!何してるの?!」
病室に入った亜希子は驚いた…
瑛奈は床を這いつくばりながら、何かを一生懸命探していたのだ。
「…ッママ…ないの!ッないの!」
「ッ瑛奈落ち着いて。…何がないの!?」
気が動転している瑛奈を、落ち着かせるように亜希子は聞いた。
「…陸斗から貰ったネックレスがないの。
…!!…ッきっとさっき広場に行った時、落としちゃったんだッ…」
「ッ待って!探しに行くなんて無茶よッ」
急いで広場に向かおうと、車椅子に手を掛けた瑛奈を、亜希子は慌てて止めた。
「ッママなんで止めるの?
ッきぃにはもう、あのネックレスしかないんだよ!?
…お願いママ…探さないと…」
「ッ駄目よ!!
…ママが…ッママが探しに行ってくるから。
…お願いだから瑛奈は無茶しないで。」
言葉を聞かずに病室を出ていこうとした瑛奈に、亜希子は力強く言うと、ネックレスを探しに広場に向かった。