‐数日後‐














「…瑛奈…」




陸斗は病院の広場のベンチに座り、瑛奈の病室の窓を見つめていた。




瑛奈の姿を目にした日から、陸斗は毎日のように時間を忘れ

朝から陽が落ちるまでずっとベンチに座って、ただ瑛奈の病室を見つめていた。






もし、瑛奈が普通に目が見えていたなら、ベンチに座って病室をずっと見つめている、陸斗の姿に気づいただろう…




でも、何も映る事のない瑛奈の目には、陸斗の姿に気づくはずはなく…




何も見えもしない目で




ただ窓の外を悲しそうに見つめているだけだった。









“~♪~♪♪~♪♪♪~”




君の事 思い出す日なんて

ないのは




君の事 忘れた時が

ないから uh yeah...




会いたいよ ねぇ会いたいよ




記憶の中の

笑顔だけ 優しすぎて




もう どうしようもない














そんな時、何処から誰かの携帯から聞こえてきた…




見えもしない目で空を見つめる瑛奈の気持ちを…




陸斗に伝わるように歌っているような曲…