“バタンッ”




「…遅かったな…ッ!!ッお前ずぶ濡れじゃないか…」




「………。」




夜遅く帰ってきた陸斗に、海斗は駆け寄り声をかけた。






“グイッ”




「ッおい!…瑛奈には会ったのか?」




「……ッ俺にどうしろってゆうんだよ?!」




海斗は立ち去ろうとした陸斗の腕を掴むと、陸斗は力なく言った。






「…ッお前が何で瑛奈と別れたのかは知らねーけどな!

これだけは忘れるな。

…瑛奈は女としてだけの存在として、小さい頃からお前の傍にいたんじゃない!

小さい頃から幼なじみとしても、大切な存在だったんだって事をな。」




「…ッ海斗…瑛奈の目は…」




力強く言う海斗に、陸斗は静かに問いた。






「……見えてない。」




「!!…ッ…」




海斗の言葉を聞くと、陸斗はそれ以上何も言おうとはせず、自分の部屋へと戻っていった。