「…喉渇いたな…(あれ?誰か来てるのかな?)」




自分の部屋にいた海斗は、喉の渇きに、水分を摂ろうとリビングへ向かっていた。






リビングに入ろうと、ドアに手を掛けた海斗は、中から微かに聞こえてくる話し声に、ドアを開けるのを少し戸惑った。






「ッ…そんな…きぃちゃんが病気だなんて…」




「…ッ私…ッ本当に、どうしたらいいのか分からなくて…」




ドア越しから聞こえてくる、智美と亜希子の話し声に、海斗は耳を疑った。






「…(…瑛奈が病気?)」




ずいぶんと長い間、瑛奈からも亜希子からも全く連絡がなかった事に、普通じゃない事は海斗も薄々気がついていたが、まさか…




まさか、瑛奈が病気だとは夢にも思っていなかった。