亜希子はそれ以上は何も言わなかった。






病気が進行し、塞栓症の1つの手足麻痺が現れ始め…




上手く歩く事が困難になってきた瑛奈は、外にでるのを嫌がった。






そんな瑛奈に、亜希子は元気付けようと、笑顔でいる事しか出来なかった…




自分の子供さえ幸せにしてあげられない事に、無力さを感じていた。









瑛奈は亜希子に当たるつもりなんてなかった。






でも、どんどん自由のきかなくなっていく身体と…




どうしようも出来ない陸斗を想う心…




全てを前向きに考えられる程、瑛奈は大人にはなれなかった。