「…感染が落ち着かない状態での手術は、完全な除去が難しい為、厳しいです。」
「ッ…ッ…私は…どうすればいいんですか?」
医師の言葉はあまりにも残酷で…
亜希子は涙を止める事が出来なかった。
「…お母さん…ただ、瑛奈ちゃんの母親として、瑛奈ちゃんの傍にいてあげて下さい。」
「ッ…ッ…はい。」
亜希子の気持ちを落ち着かせるように、医師は優しく肩を叩いた。
「…お母さんが強くならなくてはダメなんです。
一番辛いのは瑛奈ちゃんだとゆう事を忘れないで下さい。
今の瑛奈ちゃんにはお母さんしかいないんです。
…今が一番辛い時なんです。」
「…はい。…失礼しました。」
医師の言葉に、亜希子は涙を拭うと、丁寧にお辞儀をし、診察室を後にした。

