「進行の活動期に入り、塞栓症が現れ始めています。」
「…ッそれを…ッ止める事は出来ないんですか?」
医師からの深刻な言葉に、亜希子はなんとか平常心を保ちながら口を開いた。
「…難しいです。」
「ッそんな…ッその、塞栓症は…どんな…症状が現れるんですか?」
「…手指などの血流障害から視力障害、手足の麻痺やろれつが回らなくなるなど、多くの症状があります。」
「ッそれを、私は見ているだけしか出来ないんですか!?手術とか…ッ手術とか、何か手はあるでしょ?」
医師の説明に、納得する事が出来ない亜希子は、力強く言った。

