“コンコンッ”




「陸斗入るよ~?」




瑛奈はドアをノックすると、返答を待たずにドアを開けた。






“ガチャ”




「あっ出来たん?」




「珍しく起きてたんだ?(笑)いつも直ぐ寝ちゃうからね~陸斗君は♪」




部屋に入ると陸斗は寝転びながらテレビを見ていた。






「ウルセーな。…母さん達は?」




「ちょっと買い物行ったから、陸斗ときぃでお留守番☆」




「…ふ~ん。」




陸斗はそれだけ言うと、瑛奈が持ってきたケーキを食べようとした。






「あっ!きぃが食べさせてあげようか?♪」




「…バカじゃん?遠慮しておきます。」




「…ウ~…遠慮しなくてもいいのに。」




瑛奈からの提案に、陸斗は呆れた様子でそっけなく答えると、瑛奈は寂しそうな表情を見せた。






「(コイツすげーカワイイ。)…やっぱり食べさせてもらう。」




「え?本当に!?」




陸斗の思わぬ言葉に、瑛奈は嬉しそうな顔でフォークを手に取った。






“ジーッ”




「…ねぇ。早く。」




「ちょっ…あんまりこっち見ないで(照)」




真剣な顔でジッと瑛奈の顔を見つめながらケーキを待っている様子に、瑛奈は調子を狂わされていた。