「グスッ…ッ…」 「…(…瑛奈?)」 病室に入ろうとドアに手をかけた亜希子は、中からすすり泣く瑛奈の声が微かに聞こえ、ドアを開けるのを戸惑った。 「グスッ…ッ…ッ…」 「…(…心の問題…)」 瑛奈のすすり泣く声をドア越しに聞きながら、医師に言われた言葉を思い返していた。 “コンコンッガチャッ” 「…瑛奈?」 「ッ………。」 病室に入ってきた亜希子に気がついた瑛奈は急いで涙を拭うと、自分の気持ちを隠すように、黙って窓の外を見つめていた。