「…直ぐ退院出来るんでしょ?…それなら、みんなに秘密にしてほしいの。

…誰にも心配かけたくないから。」




「…分かった。…瑛奈の望むようにしよう。」




必死にお願いをする瑛奈に、亮二は“分かった”と言うしかなかった。






「…ありがとうパパ。」




「あぁ…早く治そうな。」




力なく微笑む瑛奈に、元気付けるように亮二は明るく言った。






「…おやすみなさい。」




「…あぁ、おやすみ。」




亮二の言葉に、瑛奈は何も返そうとはせず、自分の部屋へと戻っていった。