‐放課後‐














「あっ海斗一緒に帰ろ♪」




帰ろうと教室を出た海斗に、待っていた瑛奈は声を掛けた。






「…あれ?陸斗は?」




「陸斗は何か用事があるみたいで、先にお家行っててって♪」




いつも通りの瑛奈の様子に、海斗は女子達の噂話はデマだったんだと思い、安心した。






「そういえばさ~クラスの女子達が陸斗と瑛奈が付き合ってるとか変な噂してたよ(笑)本当笑っちゃうよ(笑)」




「………。」




海斗が笑顔で話す言葉に、瑛奈は黙ってしまった。






「瑛奈どうしたの?」




「…噂じゃなくて本当だよ。」




瑛奈は恥ずかしそうに、聞こえるか聞こえないか分からない位の声で言った。






「何冗談言ってんだよ(笑)そんな訳…ッ!?」




海斗は真っ赤になった瑛奈の顔を見て驚いた…






「…本当に?」




「…うん。恥ずかしくて黙ってたの。ごめんね?

本当だったら海斗に一番に報告しなくちゃダメだったよね。」




海斗はショックだった…




ずっと好きで大切にしてきた想いが…




奪われてしまった。






「あ…うん。でも良かったな☆」




「うん(照)ありがと♪海斗も早く彼女出来るといいね♪

あっ好きな子とかいるの?いつでも相談乗るから言ってね♪」




瑛奈の言葉に海斗は苦笑いを返し、それ以上喋らなくなってしまった。






関係が崩れるのだけは嫌だと思い…




この時海斗は瑛奈を思う“好き”なキモチを胸の奥に閉まった。