‐次の日‐
「………。」
瑛奈は1人、いつもの公園のベンチに座り、何かを想いながら、空を見つめていた。
「……桜井?」
「…あっ駒井先輩…」
公園の前を通り掛かろうとした駒井は、ベンチに座っている瑛奈に気がつくと、公園に入ってきた。
「今、丁度桜井の家に行こうと思ってたんだよ。…怪我大丈夫か?」
「…はい♪迷惑かけてスイマセンでした(汗)」
あの日から、瑛奈と連絡取る事が出来ず、ずっと気にかかっていた駒井は、瑛奈の家に向かう途中だった。
「迷惑な訳ないだろ!…でも、怪我大丈夫そうなら良かった。
……また一緒に走ろうな♪」
「…はい。…私、そろそろ帰りますね。
…ありがとうございました。」
笑顔で話す駒井に、瑛奈は力なく微笑むと、その場を立ち去ろうとした。
“グイッ”
「ッ桜井!ちょっと待ッ…!?」
立ち去ろうとした瑛奈の腕を掴むと、振り向いた瑛奈の目からは涙が流れていた。

