‐次の日‐
「桜井さん、こちらへどうぞ。」
一通りの検査を受け終わり、瑛奈と亜希子と亮二は、医師の話を聞きに来ていた。
本当だったら両親だけで聞く説明も、瑛奈の強い希望により、一緒に聞く事になった。
「…感染性心内膜炎です。」
『…感染性心内膜炎?』
医師の言った難しい病名に、亮二も亜希子も瑛奈も口を揃えて聞き直した。
「~~~…発熱の繰り返し、むくみや息切れなどの初期症状の後、塞栓症や脳梗塞などにより、様々な状態を示す、全身性の感染症です。」
「(…全身性の感染症?…脳梗塞?…塞栓症?…何を言ってるの?)」
医師の難しい話と、それを一生懸命聞く両親の横で、瑛奈はそれ以上、話を聞く気にはなれなかった。
「(…あぁ。……きぃ、病気なんだ。)」
その“病気”とゆう2文字だけで、瑛奈には十分過ぎる位に、重くのしかかっていた。
決して軽い病気じゃない事も…

