“コンコンッガラッ”




「桜井さん、先生がお呼びです。」




「あっはい。…瑛奈ちょっと待っててね。」




瑛奈と亜希子の会話を途切るように、看護士が病室へ入ってくると、亜希子は診察室へと向かった。









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「…えっ?……もう一度言って下さい。」




「…最近の発熱やむくみ、息切れはその初期症状の表れです。

…多くの患者さんは最初は風邪だと思い、抗生物質と解熱剤を投与するのですが

…一時的に熱が下がるだけで、症状は進行していってます。」






「えっ…あの…瑛奈は?」




医者の言葉に、数ヵ月前からの瑛奈の症状に、亜希子は思い当たるふしがあった。









「…失礼しました。」




医者の話が終わると、亜希子はお辞儀をし、診察室を出た。