“パチッ”




「…(…ここは?)」




「あっ瑛奈気がついた?」




目を覚ますと、見慣れぬ天井と全身に感じる違和感に、ボーッとしている瑛奈に、亜希子は心配そうに話しかけた。






「…あれ?…ママ……マラソンは?」




「…瑛奈途中で倒れちゃったのよ。」




未だに状況を掴めずにいる瑛奈に、亜希子は静かに言った。






「…そっか…」




「…疲れが溜まってたのね……今日はゆっくり休みなさい。」




マラソンを完走する事が出来ずに落ち込む瑛奈に、亜希子は優しく手を握った。






「…ッ痛いッ…」




「寝てなきゃダメよ!」




起き上がろうとした瑛奈だが、倒れた時の衝撃で、全身のあちこちを打撲していた痛みで、起き上がれずにいた。