「…ハァハァハァ…ハァハァハァ…ハァハァハァ…」




“バタンッ”




意識を朦朧とさせながらも、走り続けようとした瑛奈だが…




足が空を切ると同時に…




倒れてしまった。









“ザワザワ”




「道空けて下さい!…君は?」




「…桜井の知り合いです。ッ桜井はどうしたんですか!?」




瑛奈が倒れて数分後、救急車が到着した。






「ッどうしていきなり!!」




「……とりあえず病院に運ぶから、君も一緒に乗って。」




救急医に血相を変えて瑛奈の容体を聞く駒井に、救急医は落ち着かせるように言った。









“ザワザワ”




「ハァハァ…(ヤベッもう始まってる)ッちょっとスイマセン、通して下さい。」




何も知らない陸斗はやっと会場にたどり着くと、群がる人混みを掻き分け、辺りを見渡した。