「…最近、全然タイム上がらないんですよね。

…それどころかどんどん下がってきてて。」




「だからまずは体調を整える事!

…それに、そうゆうスランプみたいな時期は誰にでもあるもんだよ。」




なかなか思うように走れない瑛奈に、駒井は親身に相談に乗っていた。






「えっ駒井先輩にもそんな時期ってあったんですか?」




「もちろんあったよ!本当その時期はしんどかった。

全然タイム上がらないし、陸上やめようと思った時期あったよ。」




「…その時はどうやって切り抜けたんですか?」




「とにかくそうゆう時期は我慢だな(笑)

…スランプが過ぎると、本当に自分でもビックリする位タイム延びるよ。」




部活のエースの駒井の思わぬスランプ時期の話に、アドバイスを瑛奈は真剣に聞いていた。






「駒井先輩にもそんな時期あったなんて驚きました。

私、頑張ります!!」




「(笑)あんまり無理はするなよ。」




話を聞いて元気になった瑛奈に駒井は笑顔を見せた。






「それに桜井は期待の新人だからな!

今度の大会期待してるよ。」




「そんなにプレッシャーかけないで下さいよ~(笑)」




小さい頃から走るのが得意だった瑛奈は、中学から陸上部に入りマラソンを始めた。




中学の時から大会に出ては、いい成績を残してきた瑛奈は、高校でも期待されていた。