「陸斗ちょっと待ってってばぁ!」




「………。」




「…迎えに来てくれたの?」




「ッたまたま近くに用事があっただけだよ。」




先に歩いていってしまった陸斗に追い付くと、瑛奈は嬉しそうに言った。






「またぁ。素直に“心配だったから”って言えばいいじゃん♪」




いつも以上に勝ち気な瑛奈だが、陸斗がヤキモチ妬いている事に、内心本当に嬉しかった。






「…飯食ってく?おごるけど。」




「うん♪でも、マックは嫌だよ!?」




「はいはい。んじゃ、モスバーガーね。」




「って、マックとあんまり変わってないじゃん!」




「何言ってんだよ?!ワンランク上げたろ♪

嫌なら俺1人で行くから、瑛奈先に帰れば♪?」




「…分かったよぉ。…豪華なレストランにまでランク上がるのは何年かかるのかな?」




「う~ん。…30年?(笑)」




「え~?!」




陸斗の冗談に文句を言いながらも、瑛奈はずっと笑顔のままだった。