「やっぱりさぁ…」




「ん?何?」




少しの間座り、無言で海を見つめていた陸斗は口を開いた。






「…さっきお返しは何もいらないって言ったんだけど

……やっぱり欲しい。」




「えっ?リボン?」




恥ずかしそうに話す陸斗に、瑛奈は不思議そうに聞いた。






「ッちげーよ!」




「(笑)冗談だよ。何が欲しいの?」




瑛奈の言葉に陸斗は不機嫌そうにすると、瑛奈は思わず笑った。






「…瑛奈の………ん。」




「…えっ?」




静かに話す陸斗の声は波音にかき消され、聞き取れず瑛奈は聞き直した。






「(照)瑛奈の…えいえん!ッて、俺何でこんなクサイ事言ってんだ。」




「………。」




陸斗はもう一度はっきりと言うと、自分で言った言葉に顔を真っ赤にさせた。