「えっ??…手??」




「うん…陸斗…本当にありがとうね。好きだよ。」




不思議そうに差し出した陸斗の手を、瑛奈は自分の頬へと持っていった。






「…瑛奈…??」




「ッじゃあ、またね♪」




陸斗の言葉に我に返った瑛奈は顔を真っ赤にさせると、急いで家へと入っていった。






「(…瑛奈…)」




瑛奈の唐突な行動に陸斗はキョトンとし、暫くの間家の前から動けずにいた。









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“ガチャッ”




「ただいま~!」




「あっ陸ちゃんお帰りなさい♪きぃちゃんは大丈夫だった??」




陸斗の声と共に智美は玄関に駆け寄ってきた。






「うん、もう大丈夫だってさ!」




「ッ陸斗!!瑛奈は?!」




陸斗と智美の会話を途切るように、海斗は駆け寄ってきた。






「一応、病み上がりだから家に送ってきた☆」




「………そっか。」




笑顔で話す陸斗に、海斗も嬉しそうに安堵の表情を浮かべた。




瑛奈を諦めたとはいえ、海斗にとっても瑛奈は大切な存在で、陸斗に負けない位瑛奈の事を考えていた。