「…スイマセン。」




「分かればよろしい♪」




降伏した陸斗に、瑛奈は嬉しそうに勝ち誇った表情を見せた。






「…ってか、あんまり無理すんなよ。」




「だって、本当に大丈夫なんだもん♪」




少しの沈黙の後、陸斗は真剣な表情で言った。






「俺が大丈夫じゃないんだよ!!

…あんまり心配させるな。」




「…うん…」




本当に心配そうな陸斗に、瑛奈も真剣に答えた。






「…陸斗の背中暖かい。

…陸斗…ありがとね。」




「…うん…」




陸斗の温もりを感じるように、嬉しそうに話す瑛奈に、陸斗はそれ以上何も言う事はなかった。














「じゃあ、ゆっくり休めよ?!」




「うん、ありがと♪」




瑛奈を背中に乗せて歩いたせいか、徒歩10分の距離が30分かかり、ようやく家の前にたどり着いた。






「じゃあ、またな♪」




「あっ陸斗ちょっと待って…手貸して??」




瑛奈を送り届け、その場を立ち去ろうとした陸斗を呼び止めた。