「…ッこれ…」
「えっ!?…ヤダ…どうしよう…」
瑛奈の首筋には、くっきりと赤くキスマークが付いていた…
“ギュッ”
「…ごめん…俺がもうちょっと早かったら…」
「ッ大丈夫だよ…」
陸斗は優しく瑛奈を抱き締めながら言った…
「ッ大丈夫じゃねーよ。…無理すんな。」
「ッ…ッ怖かった…陸斗…ッ陸斗…」
優しく抱き締める陸斗に、瑛奈は抑えていた気持ちが溢れだしていた。
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「…陸斗ありがと。
…そういえばどうして、あそこにいたの?」
「あぁ…あゆみとカラオケにいたんだけど
健介と一緒に入っていく瑛奈を丁度見かけたから。」
どれ位の時間が経っただろう?
気持ちが落ち着いてきた瑛奈は、陸斗に不思議そうに聞いた。
「ッえっ!?…じゃあ、あゆみちゃん…カラオケに?」
「………うん。」
「ッ早く電話しなよ!!!!」
あゆみの存在を聞かされた瑛奈は驚きながら言った。
“プルルップルルルルッ”
「…ウルセーな。
……もしもし、あゆみ?」
「……うん。」
陸斗は渋々携帯を取り出すと、あゆみに電話を掛けた。
「…今日はごめん。…もう家?」
「うん。…ごめん、今は話せる気分じゃない
…電話切るね…」
陸斗の言葉にあゆみはそっけなく返すと、電話を切ってしまった。

