「ただいま~…!?どうしたん?」
「…陸ちゃん…」
陸斗が家に帰り、玄関のドアを開けると、智美が玄関で陸斗の帰りを待っていた。
「ッどうしたんだよ!?」
「…海ちゃんが…」
智美の異様な空気に、陸斗は何があったのかと、心配になり聞き直した。
「…海ちゃんが…今日の夜ご飯いらないって(泣)」
「えっ!?!?……それで?」
「…今までこんな事一度もなかったのに(泣)」
「………もしかして、それだけ?」
智美の衝撃的な言葉に、陸斗は呆れたように言った。
「ハァ~…小さい子供じゃないんだから、1日2日飯抜いたって何て事ないだろ。」
「ッ陸ちゃんは心配じゃないの!?」
呆れたように言う陸斗に、智美は涙目になりながら言った。
「ハァ~…(本当に母さんには参る。
…これで3人の母親だもんな~)
…分かったよ。ちょっと海斗の部屋に行ってくる。」
「…お願いね…」
母親の涙に弱い陸斗は、腰を上げると渋々海斗の部屋へと向かった。

