「…ただいま~。」
少しの沈黙の後、玄関の方からドアを開ける音と共に陸斗の声が聞こえてきた。
「陸ちゃんおかえりなさい♪あらっあゆみちゃんもいらっしゃい♪」
「…お邪魔します☆」
陸斗の声と共に智美は急ぎ足で、玄関へとお出迎えをした。
「何か凄く美味しそうな匂いですね☆」
「そうなのよぉ~丁度ケーキ作ってた所なの♪」
「えっ作ったんですかぁ!?凄いですね☆」
「うちは母さんが料理好きで、しょっちゅうお菓子とかも手作りしてんだよ~。」
他愛もない会話をしながら、陸斗達は甘い匂いのするリビングへと歩いていた。
「今日はきぃちゃんも久しぶりに一緒だから頑張っちゃったのよ♪
あゆみちゃんも沢山食べてってね♪」
「えっ…瑛奈来て…」
智美の言葉に陸斗は少し驚き、言葉を続けようとした時、テーブルにいる瑛奈と目が合った。