あれからどれ位の時間が経っただろう…




ただ泣きじゃくる瑛奈に、陸斗は理由も聞かずに、ただ黙って、瑛奈が泣き止むまで傍にいた。









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「…なんか今日はごめんね。」




「プッ!!今更何言ってんだよ(笑)」




泣き止んだ瑛奈を家の前まで送ると、申し訳なさそうにしている瑛奈に陸斗は明るく言った。






「…本当に陸斗は優しいよね。口悪いけど(笑)」




「俺って男前だし?」




「バカ(笑)」




「(笑)やっといつもの瑛奈に戻ったな☆

…んじゃ、またな!!」




「…うん、またね♪」




陸斗は瑛奈の頭を撫でるようにポンッと叩くと笑顔で言った。






「あっコレやるよ♪」




「え?…(笑)ありがと♪」




陸斗はポケットの中から飴を取り出し、瑛奈に投げ渡すとその場を後にした。






「…飴かぁ(笑)」




瑛奈は昔の事を思い出していた…






男の子にイジメられる度に1人、陰で泣いていた瑛奈に、理由も聞かずにただ泣き止むまで傍にいてくれ、お花をくれたあの頃の事を。






あの別れた日以来、初めてまともに会話をし、昔のように戻れた事で、さっきまでの涙が嘘のように消えていた。